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◆ 猛暑を乗り切って | 2008/08/29 (Fri) |
盆休み前に士別の農場に最大処理水時間6トンが可能な大型膜の浄水装置を納入した。二次処理を施して3トンに絞ってある。この装置を地下に埋設したが、先方の社長は大きさに驚かれていた。士別の町を見渡す丘の上に、レストランが建つ。ここにも2機目の大型膜浄水器を納入する。レストランの傍にあるサイロに装置を入れる計画だ。『外から装置が見えるショールーム』にして客に安全な水をアピールする。構成は、臭気分解装置、10インチのUF膜を2基+時間3トンのイオン交換樹脂塔にする。殺菌は純水還元水を使う。厨房と宿泊用の風呂、農園の散水にこの水を使う。『徹底した安全』を提供する依頼があったので、日本一の装置にしたい。 新日鉄の関連会社とマイクロバブルの会社と同時に業務提携を完了した。しかし、私は覚書程度の軽い関係を望んでいる。11月にはベトナムのハイフォン工業団地内に提携先の新社屋が完成し、大型膜を中心にモデル装置を納入する予定だ。 アメリカのシリコンバレーに住む友人から電話があった。インド系のアメリカ人で、シリコンバレー以外に日本でもNEC、新日鉄、京セラとコンサルタントの仕事している。工学博士、芸術の才能、料理もプロ級と多彩だ。奥さんも才女で世界最大のコンピューター会社で高速シリコンの研究者だ。私が水の仕事を始めたのもここが基点になった。この地で「水の自販機」のメーカーから装置購入し水の技術を学んだ。彼に聞くと、シリコンバレーの現状は悪いらしい。アメリカの頭脳集団が集まる地域が悪いとアメリカも元気がでない。彼曰く、考え方が古いと嘆いていた。世界中で経済が凄まじい速さで変貌している。シリコンバレーですら時代について行けないのだ。色々理由があるがアメリカ型の成金ビジネスの終焉だと思う。今、エネルギーに溢れているのは中国とインド。油でロシアも台頭しだした。アメリカも衰退ぎみだが、見る価値もある。娘と麻衣子をシリコンバレーに行かせる話を彼に提案した。シリコンバレーはビジネスと技術のルーツだし、娘達にもその経験の一部を学ばせたい。 中国は多くの問題を抱えているが、影響力は大きい。生命力にも溢れている。世界中、中国抜きでは成り立たない状況にあるが、中国もグローバル化が進み低賃金と人口の多さが原動力になって成長した。中国の企業も大きくなり格差も激しい。付加価値の高い商品を狙っているが中国製品は高くなればそれ程の魅力はない。世界の工場の価値も低下すれば資金も集まらない。今回、時間10トン程度の業務用の膜ろ過装置を造らせた。出来栄えは普通だ。重要部品を日本製に代えれば使える。技術は10年前のアメリカのレベルだが、改善すれば伸びていると思う。この大型装置は災害用に考えている。昨年、隅田公園に26,000人分の大型RO浄水装置を納入したが、今年も2機受注する。また、500人規模の小型の膜浄水機の開発も依頼され、デモ機を造る予定でいる。いつ災害に見舞われるかわからない時代で、大型の災害用の浄水器を造る準備を始めている。 アメリカのGEが原油の値上で大型車が売れない。アメリカは不動産、金融、自動車、主要産業が同時不況の様相だ。私は、変化の時に我慢の経営を心がけているので悪くもなく良くもない。当面は世間の動きを静観し仕事を選別している。今は買う人が商品を選ぶ時代だ。サブプライムローンで不動産業も倒産が増え、自動車も売れない。景気はもっと悪くなると思う。不況が進むと案外チャンスも広がるし我々はコスト競争力があるので引き合いも増えると思う。日本には500兆円の市場もあるし、プラントの仕事も請けられるし、不況に強い体質強化の準備を整えている。士別、和光、東大、台東区と仕事は増えている。現場は大忙し、一日も休みがない。我々は頼まれた仕事を中心に進めているが、このスタイルは守りたい。井戸水の処理はきめ細かい高度な技術が求められる。不況は新しい技術の発掘の機会でもある。 玉造の町工場を訪ねた。オゾンと磁気を組み合わせた商品を見せて貰った。オゾンを膜の洗浄に使いたいと考えている。この会社のオーナーは、安い部品を集めて試作品を製作できるので面白い。ビックサイトの展示会で、知り合った。LEDを使った水耕栽培の装置を見て、興味をもった。中国のメーカーに植物栽培用のLED装置を購入しようとしたが、1ロットの数量が1000台〜10000台と言われた。これでは商談にならない。この人にこのことを話すと、中国のLEDは電圧の乱れが激しいので一つ一つチェックして作れば、安く出来るとアドバイスされた。この方に液肥を提供し、代わりにLEDの装置を作ってもらう予定でいる。家庭用の水耕栽培の装置をつくりたい。LED、太陽電池を使った災害用の浄水器もつくれるので新しい提案を考えている。 富良野の民家、千葉の佐倉、柏に浄水器、東大に5台の証明書発行機を納入した。地元の阿見からも話があって現地を見に行く。我々は半導体の超純水のメーカーだが、最近は、農業、食材に関わるマーケットが広がりだした。人間や動物の60%は水分で、野菜に至っては90%が水分。これからもこのニーズは広がると思う。 銀座の和光に出向いた。20年前に浄水器を納入した時から懇意にしてもらっている。当時の和光はフランスのミネラルウォーターを使っていた。当社でつくる水の味と飲み比べてから納入が決まった。和光には昨年2号店に、今回3号機も内定した。羊の肉をCASで急速冷凍する話をすると、CASのことも既知で、和光のレストランに紹介すると言われた。友人に、大手コンビニに70億円もパンを納入している方がいる。この方も私のお客で、羊肉の話をしている。時間が合えば一緒に士別を訪問するように声をかけている。 羊の肉にABI製の「急速冷凍機(CAS)」を使う計画を友人達に話すと一様に驚く。この急速冷凍システムは世界最高の冷凍技術だ。振動を与えて急速冷凍させるので細胞が破壊されず、鮮度が落ちない。最初はこの高額な設備を羊肉に使って採算が合うのか疑問に思ったが、凄いと宣伝効果がある。この仕事は「町おこし」が背景にある。そんな中、しっかりとした考え方が、時代のニーズに合っている。「自然回帰・食育・酪農の企業化」これらの課題を含むスケールの大きな企画で進んでいる。 大分からも水耕栽培で30億円のプロジェクトの話もある。日本中で食の問題が起きて農業も変わる節目を迎えている。西安とシリコンバレーからCAS冷凍された羊の肉を輸出できるかと聞かれた。西安は三千年前の古都。食文化は世界に並ぶレベルの高い都市だし、西安と士別が結びつくとビックビジネスに発展すると思う。 オリンピックを見て中国の13億の人口を束ねる力は凄まじい。この国の好き嫌いは別にして、この国のパワーと市場を見逃す手はない。富裕層の数も世界で一番だ。食と水は石油より重要になるだろう。日本は人々の心に不安に満ちている。オリンピックを見てもひよわで、逞しさに欠ける。野球もお家芸と思って見ていたが、世界と比べてレベルが低い。戦う前から金メダルとマスコミが持ち上げて、思い込みが激しい。蓋を開けると世界の壁は高かった。韓国が優勝したが、選手は背負う物が違い過ぎる。彼等は勝つと兵役免除。日本の選手は怪我さえしなければ日本のリーグ戦に複帰できて大金を稼げる。宿舎も豪華、この甘い環境でプロは育たない。野球人気は衰退し、大リーグのスカウトの目も中国、韓国に移っている。中国はこのイベントに4兆円の巨費を投じた。開会式、閉会式は見事だったが、金まみれで怖い印象を受けた。しかし、競技者の迫力には勝てなかった。国威の発揚を狙ったが、この考えも古いた。お祭りが終わり、現実の生活は深刻だ。中国の動向は環境保護に向かうのか破壊か興味が尽きない。リンの輸入が制限され、天然ガスも1.5倍に上がる。肥料も50%あがり農業、漁業も大変だ。私は無農薬の液肥を販売しているが、この液肥を普及させたい。液肥は酵素が主成分で、微量元素の亜鉛、銅、マンガンが含まれ、殺菌効果もあり植物の生育を促進する。表面散布で使うので、葉の表面で光合成する。肥料が高騰して困っておられる方がいたら相談してほしい。 軟水が注目されだした。井戸水を軟水にすると水道水以上の水になる。最近はエコキュートの普及で「飲料+電化」が進み重宝がられている。井戸水には金属イオンが含まれ、そのイオンが酸化してスケール化すると機器を破壊し使えなくなる。水の中の金属イオンを「イオン交換樹脂」で処理すればエコキュート・燃料電池にも使える。軟水は、水を樹脂に通すだけで、カルシウムイオン、マグネシウムイオンをナトリウムイオンに置き換える。塩水を流し込むと樹脂が再生し、また使える。軟水にすると、乾燥肌・手荒れ・アトピーに効果がある。石鹸の泡立ちがよく、洗剤が少量で済むし、洗濯物がふっくらと仕上がる。ご飯やお茶も美味しくなる。顧客の感想も完璧だと喜ばれている。 土浦のお寺に大手ゼネコンが浄水器を取り付けたが直ぐに詰まり問題になった。当社に相談があって、硫化水素を分解する装置と膜も2本組み込み新しい装置にした。結果、評価がよく、このスタイルを非常用の浄水器の仕様に考えている。その後2台の追加注文を受けた。 NPOのホームページを動画中心にしたいと考えている。撮影を麻衣子に勉強させている。試しに「まつりつくば」に娘と三人で出かけて撮影させた。つくばは若い街。若い人が大勢集まっていた。私は滅多に祭りを見ないが、若者の熱気を見て逞しく感じた。厳しい世相だが、小雨の中、若者から勇気を貰って嬉しかった。9月から忙しくなるが体調に注意して私の役割を果たしたい。 |