戻る |
◆ アジアビジネス | 2009/10/01 (Thu) |
“鳩山丸”は順調に船出して、日本が様変わりする印象を世界に与えた。金持ちならではの世間知らずで“怖いもの知らず”に見えないこともないが、麻生氏と比べると良く見える。麻生氏は、しきりに政策を口にしていたが、政策の中身を吟味すると、政権維持の政策ばかりで、底の浅さが目立った。赤字国債と埋蔵金を使って4回も補正を組み、流出させただけのことで、政策とは言えない。官僚に依存した“バラマキ政策”を行う、愚かな政権が代わっただけでも大儲けだ。大半の国民は一度試して見るつもりで民主を選択したと思うが、選挙で選ばれた政権は強い。勢いがあって、久々に政治論議が盛り上がって動向に関心が持てそうだ。“50年間続く八ッ場ダム建設中断”も、4500億円という金額を延々と注いで来た事業を、日本人が苦手とする“きっぱりと切る”決断は、蛮勇と批判されてもまさに政治力だ。公共工事は、大手ゼネコンへ資金が流れる構図になっていて、長きにわたって甘い汁を吸った人間も多かったと思う。地元の知事や市長の意見を聞いても、立場としての意見だと思うが、古い日本人の言い分にしか聞こえないし、50年はあまりにも長い。ダムという人口湖が完成しても、観光の目玉にはならないし、ダムを財産にして町おこしをする感覚は貧し過ぎる。ダムよりも工事が欲しいのが本音だと思う。一市町村の一部の生活のために、数千億円の税金を投入する意味は曖昧で、「本当にこのダム建設は必要か?」というシンプルな問いに対する答えにはなっていない。政策変更は何をしても賛否両論はある。政権が代わらなかったら、国民に知られることもなくダラダラと工事が続いていた代表的な例だと思う。大胆に計画を見直して廃止する勇気は怖いぐらいで、反発を覚悟して厳しい政治決断をした前原大臣は日本では珍しい政治家になる気がした。全国の140箇所のダムを見直すと言っているが、それが出来て国民の前に真実の姿が見られれば、歴史は変わると思う。日本は高齢化が進んで、女性では4人に1人が65歳を迎える。50年前は、国民も若かったし、飲料水も工業用水も、災害対策にもダムは必要だったと思うが、何故か50年間も完成しなかったのか?政・官・財の癒着の馴れ合いの政策のせいでわざと遅らしたのではないか?工事が延々と続けることにメリットがあった官僚主導の公共事業だったと推論出来るので、遅れた経緯も明らかにして欲しい。地元の意見も良く分かるが抵抗すれば良いと思う。50年も待ったのだし、来年は参議院の選挙もある。政権を代えるために意思表示をして反対するのも、“民主主義”本来の姿だと思う。温暖化が進み、今後は雪解け水が不足する。異常気象で多発して各地に集中豪雨が増えて、従来型のダムでは適さない自体が増える。日本人全体の意識を地球規模の変化に備えて生活スタイル全てを見直す必要に迫られている。そう簡単に頭や心の切り替えは出来ないが、変えないと、日本の未来ない。従来の延長、積み重ねを見直して、「今、私達に何が出来るか」を自問する時だと思う。ダム建設中止に結論すれば、国にお金が無くなったことにある。無い袖は振れないし、貧乏人になれば豪邸には住めない。1000兆円にも迫る国の借金を、先人達が食い尽くし、貧乏国になった。これ以上無い物ねだりの国民が増えれば、社会は持たなくなる。ダムが中止の方向に進むのが、日本の体力から見て妥当だと思う。また、排出ガス25%削減を宣言したことも勇断だ。勿論、国民には大きな負担になるが、中国もアメリカも協力して排出ガスを減らして地球を守る大国であって欲しい。日本が一石を投じた意義は大きいし、他国という巨大なエゴ集団と戦いながら、日本流に進めて欲しい。 政治は、人間が当たり前のことをするだけで新鮮な感動を与える不思議な空間だ。財界は、この削減目標は「企業を破綻させる」と猛反発だが、ダムと同じ理屈で、財界が民意を集めて政権を代えれば済む話だ。今の政権は、財界が選んだ政権ではなく国民が選んだ政権だ。“従来のやり方”にかたくなになる企業では、新しい発想は生まれないし、今後立ち行かなくなる。あの巨大な中国と競争するくらいの気概を持たないと、日本は活力を取り戻せない。「未知に挑む気力」が満ち溢れた、若者に希望が生まれる企業が生まれて欲しい。私は、自分が出来る範囲で小さな行動を起こして、人間の“意識革命”を目指している。 大きな話はさて置いて、歩く習慣を身につけている。朝1時間弱は確実に歩いて会社に出勤している。新浦安では、この倍は歩くし、少しずつ距離を伸ばしている。最近は慣れて、楽しさを感じる余裕が生まれだした。心臓、腎臓、目、を患う障害者の身だが、よろよろと歩きたくないので、筋肉をつけている。 今、一番好きなことは仕事だと思う。成功の是非が、“生死を分ける”仕事の醍醐味は、恐怖心もあるが、今「生きている」という幸運感もある。「負け」が死を意味するビジネスの緊張感は、体力がないと耐えられないし、仕事は、私に多くの快感と、壊滅的な損害を与える両刃の剣だが、逃げ場はないし、休息と運動を繰り返して、常に正常な見極めが出来るように努めている。 日本でも“量販店”が盛んだが、このビジネスも曲がり角にある。量販店発祥の地はアメリカのサンディエゴで、私は当時“プライスクラブ”の名で興った量販店で、その安さに驚き、参入を試みて1億4000万円を失った。25年前にサンディエゴで、全財産と社会的な地位さえ失ったが、地獄に落ちたことで色々と学ぶ機会となった。先日、フィリピンで起業した方と会ったが、25年も現地でビジネスを続けられていると伺った。25年と聞いて、サンディエゴでの野望と失敗を、ふと、思い出した。人間は失敗をしても再起は出来るし、フィリピンで、海でも眺める心境で考えれば、何か出来そうな予感がしている。帰国後、このようなメールが届いた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 PVC及びPP材料の加工ができます。材料は日本製またはドイツ製を使用しています。経済特区内で製作しますので、輸出の場合はコストメリットがあります。ご協力させて頂ける商品がございましたら、是非ともお見積りをさせて頂きますので、図面を送信願います。何卒、宜しくご検討をお願いします。また、過日視察させて頂きました“ダイレクトろ過膜”を2基、実証試験のため購入させて下さい。見積りをお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 フィリピンからのメールを読んでいて新しい妄想が湧き出した。新たな挑戦の意欲もあるし、今なら会社にも少し力もある。フィリピンの特別区での「PVCの技術と、当社の組立技術・膜の調達」を合わせると、可能性が広がるかも知れないと考えている。フィリピンでのビジネスの利点は、親日的で、国民が優しいことにある。治安が悪いことは欠点に見えるが、そのことで競争相手も少なく、発展のスピードが遅い。この“遅さ”は我々零細企業には都合が良い。 来年、私の友である産総研に勤める中国人が、西安で会社を興す予定だ。西安に出来る航空機の工業団地に参加する仕事で、とてつもなく規模が大きい。完成すれば、世界最大のハイテク工業団地になる。ここに拠点を置いて、産総研の技術を売り込む計画で進んでいる。私も協力しようと思い、「水と太陽光発電関係」を考えたりしているが、スケールが大き過ぎて傍観者の立場でしかない。中国の経済・産業の成長は目覚ましいが、消耗戦の様相を呈して、死に突入する予感もある。 ビジネスは“欲望”が原動力だが、面白さ・奇抜さと、芸術的な要素もいる。今は、若い時から世界中を歩き回って備えた地球規模での土地勘も、大きな役割を果たしている。今後、伸びるのはアジアなので、アンテナを張っている。インド、ベトナム、タイ、インドネシアを考えるだけで血が騒ぐ。ベトナムは、新日鉄の関連会社を拠点に話があったが、昨年のリーマンショックで頓挫した。アジアでのビジネスは動きも早いし、会社の稟議を待つ形では乗り切れない。私は私の資金を中心に、自由に進めたい。フィリピンは、中国を考えると最良の地、穴場になるかも知れない。水の仕事であれば、私たち零細でも十分大手並みの仕事は出来ると思う。プロジェクト毎に人材を集めれば簡単だし、趣味を兼ねた、“身の丈”の規模を基準に考えている。利益を、活動費ほどに押さえて、膜フィルターをフィリピンに供給して、技術を習得させる。逐次、装置の開発技術を供与し、生産力を上げる。将来、EDIの技術も供与してRO装置と一体型の装置を開発する。膜装置も高級、中級、膜に絞った製品構成を教える。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 工場廃水処理設備のリサイクル案件、ダイレクトろ過膜の見積りをお願いします。 処理水量: 5m3/hr 原水水質:pH6〜8 BOD :50ppm以下 COD :100ppm以下 SS :70ppm以下 OIL :5ppm以下 UF膜+AC塔で計画します。AC塔は私の方で見積りできますので、UFのダイレクトろ過膜をお見積り願います。また、ろ過膜に使用するポンプとブロワーの仕様をご教示願います。当地で探します。 宜しくお願い申し上げます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 先日、このような具体的なメールが届いた。私の構想を伝える前に話が走りだした。私は排水の仕事をしたことがない為、見積もり金額を提示するのに苦慮した。産業関係排水の関係者に聞くと、金額がバカ高い。日本並みの価格を提示しても話は進まない。私は膜を大量に仕入れるので、安く買える。お金持ちが同じ商品を扱っても、利益を上乗せするので安くはならない。安く仕入れるには、「量」と「会社の評価」が重要になるので、実積がないと水の装置部品は簡単には買えない。量を捌くには販売先を世界中に広げる必要があるし、安く供給する方法をとらないと現地での売上げは伸びない。私から見ると、外国に安く供給することはお互いにメリットがある。膜を供給して、こちらが完成品を購入するレベルになれば、アッセンブルの拠点となるので、メリットは大きい。必要な部品は当社のルートを生かせるし、アメリカは水野が担当し、中国は産総研のパートナー会社が担当すると、かなり面白い展開になる。今、中国の世界的なメーカーから数種類の装置を購入して生産レベルを調べているが、日本の製造技術は負けないと思う。しかもコストは我々以上に高くなっていて、チャンスは大きい。グローバル経済のお陰で、中国でさえ“量産”しないと安くは造れない体質になっている。量を確保して装置の安売りを始めたい。数年後の市場は中国で、上位機種から、バッタものの粗悪な装置まで揃える国との戦いだが、“高品質”を求める富裕層も増えるので、期待が持てる。日本の価格は均一で、コストは馬鹿高い。高品質で低価格の膜装置が完成すれば、内需拡大にも通じる。基本は、インターネットで売るので、損害も少ないし、損益の限界を調べている。10月は考え方が固まれば多分、フィリピンに出向くようにしたいので、体調を整えている。 |