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◆ 大型超純水装置の販売準備 | 2004/06/20 (Sun) |
韓国企業と提携を前提として少しずつ話し合いを続けている。 今月つくばに相手方が訪問される。 韓国との提携の話は詳細に入ると考え方の違いが表に出てきてそれなりにおもしろい。 私の本心は提携しても当社を大きな会社に成長することではない。 私の人生の大半は大企業に勤務し、大企業の良さと悪さを体験したのでお金や社会的な名誉には興味が持てない。 人間に悩みや欲望には限界がなく金額が多ければそれに比例して悩みも深刻になる。 相手から申し込まれたから検討しているに過ぎない。 私の会社の方針は少し変わった経営を心がけている。 頼まれた用件であれば会社の規模の大小に関わらず可能な限り相手先の要望に沿って努力をするが、こちらから積極的に営業したり商品を売り込んだりする努力よりも他人が信頼して当社に製品を買ってもらえるに装置の開発に力を入れている。 提携の話を進めていると、いつも出てくる問題がある。 当社の売り上げに関する話である。 年間4、5千万の売り上げの金額が少ないという。 私はいつも思うのだが、必要な金額以上売り上げて何が楽しいのか理解できない。 (売り上げを上げることが好きな経営者は売り上げを目指せば良いが)私は必要なだけ稼げば十分だと思っている。 借金をせずに最低限必要な金を稼ぎ、いつも開発に情熱を注げる経営に徹したいと思っている。 しかし、この経営感覚はなかなか理解されない。 私は世の中に少しでも貢献できる仕事することが目標にしている。 メインの仕事を超純水装置の製造販売を手がけているが、多分日本で当社のような製品を製造販売できる会社は10社には及ばないだろう。 クリタさん、オルガノさんや野村さん、その他旭硝子さんも当社と同じように純水装置や超純粋装置を製造販売しているが、当社の販売価格より最低でも3倍ほどの金額で販売されている。 当社と大企業との販売価格の差は製造価格とほとんど変わらないと思うが、一般管理や営業費、その他の宣伝費を含めた経費等の差が大きい。 大企業が高く我々が安いという単純な比較ではなく、仕組み自体が全く異なっているので、単純に価格だけの差で優劣を論じられないが、客先が高額な商品を選ぶか安い商品を選ぶかによって決まることである。 最近、廃水処理のメーカーさんからRO装置の注文を受けた。 私は販売価格を設定するのに常に迷ってしまう。 基本的には中間業者を入れて販売することを極力避けている。 単純に商売の観点からいえば、代理店や商社や同業者の人が当社の製品を売っていただくことは嬉しいが、その反面購入された客先に迷惑をかけてしまう。 客先が望めばなんら問題がないが、その後のメンテナンスの件や部品の供給、その他において中間業者を介すと複雑な問題が多く出てくる。 超純水装置、純水装置のビジネスは、非常に限られた高度な製品や食品、薬品等重要な生産現場の生命線になる装置の為に故障やトラブルが起きた場合、即座に対応する必要がある。 そのため可能な限り直接の商売をする方が客先と当社を含めた相互に良好な関係が生じるので、売り上げ至上主義では済まない。 もって言えば嫌な顧客には販売できない。 販売価格の付け方も相手がメーカーとしてメンテナンスの能力に優れた業者であれば、本体価格は限りなく安い価格で供給することもできるが、単に商売上に中間業者としての役割しかない場合、メンテナンスや補修作業が当社に及ぶ場合、値段の付け方も変わってくる。 相手の能力により値段が変わるのである。 当社と商売を始めた会社の人はご存知と思うが、当社に見積もり依頼が来ても簡単には見積書の提出はしない。 少し話は変わるが、面白い話がある。 ハワイの深層水の製造の為に当社に海水用の大型装置の見積もり依頼が来た。 たぶんこの装置の価格を調べるために私たちの見積もり金額が必要になったのだろう。 この種の装置の製造できる会社は限定されるので簡単には値段はだせない。 私は大手が出す金額とほとんど変わらない金額を口頭で伝えて、他社の見積もりを取るように相手先に連絡した。 私の提携しているイギリスの会社は海水用の大型装置のプラントでは世界中に実績があるので、いつでも製造して供給できる。 大手に相見積もりをお願いするように勧めてみたが、さすがは大手で、購入する会社の登記簿謄本等の資料を要求し、なかなか見積もり金額を提示しない。 私もこの大手のやり方とは異なるが、簡単には見積もりを出さないで他社の見積もり金額を調べてから当社に注文を出すようにしてもらいと思っている。 後で安いとか高いとか言われたくないからである。 当社から安く購入したいと思えば、購入する側が技術力を高めてさえいただければ世界で一番安い価格で供給することも出来るし、技術が全くない会社の人が購入されればそんなに低価格では販売できないと理解してほしい。 ここ1、2年実績が上がってきてほとんど造り込みの技術が進歩してきて、目立ったトラブルは起きていない。 韓国の大手企業との提携の話に戻るが、ここ2、3年私たちが進めてきたEPWによる超純水装置のプロセスが軌道に乗りつつあるので提携に応じたのであるが、彼らが心配している当社の売上金額の小ささに疑問を抱いているその根拠が私には全く理解できない。 EDIや当社が進めているEPWの純水装置の製造技術は昔からあるが評価を得てここ十数年程の歴史しかない。 ここ数年少しずつ実績が評価され、性能も比較的安定してきたのは昨今のことである。 韓国でもたぶん20台も入っていないと思うし、日本でも100台ぐらいが稼動しているにしか過ぎない。 今でも超純水の製造にはイオン交換樹脂の再生には大量の塩酸や苛性ソーダ等大量の薬品が使われ、環境にも著しい影響を与えているが、我々の方式は薬品を使わないで簡単に超純水が造水できるこの方式はこれから 大きく伸びるプロセスになる。 単純になぜそんなに優れている技術なのに多くの会社が採用しないのかという単純な疑問があるが、私はあえてその質問等に回答を出さないでいる。 9月に洗浄展と日本経済新聞が主催する「日経ナノテク・ビジネスフェア2004」が開催される。 この展示会に約1時間当たり10トン、1日240トン超純水の水が出来るEPW装置を出展しようと考えている。 韓国の企業の売り上げ規模は1兆円で話だけは大きい。 時間当たり60トンの装置や時間当たり3000トンの装置ができないかと打診してくる。 まともな質問とは思えないが、我々日本人の浄水メーカーであるから、資金さえ出してくれれば誰だって製造できるが、お金の話は一言も出ない。 私はこうした話し合いや水掛け論的なミーティングをするより、10トンクラスの大型中空糸膜プラスEPW時間当たり10トンから20トンの装置を展示して、日本の零細企業の実力を実証したいと思っている。 おおよその相場は時間3トンクラスのROプラスEDIの価格は4000万ほどするが、当社は時間当たり10トンクラスのEDIの超純水装置を1500万くらいで市場に投入して一気に世の中の評価を問いたいと計画をたてている。 この価格であれば、イオン交換樹脂の方式を使って純水を使っているユーザーさんにも当社の装置を購入しても莫大なメリットが出て、大きくマーケットが創設できると期待している。 本来は大手と組んで大型は大手企業に担当してもらい、我々は1トン以下の大手企業が手を出しにくいマーケットを担当しようと考えていたが、逆に今回の9月に行われる洗浄展や「日経ナノテク・ビジネスフェア2004」を契機に独自で大型の超純水の装置の製造販売に着手したいと考えている。 次にUFの大型膜の量産体制の準備が進んで、来月頃に試作の商品があがってくる。 家庭用の井戸水の浄化装置を順次手がけているが、大体性能のめどがたってきたので、本格的な販売に着手したいと思っている。 家庭用に関しては今月末にたぶん認可が下りるNPOの法人で製造販売を担当させ、家全体を浄化できる装置を極力安い価格で全国販売を開始したいと思っている。 |