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◆ 最近の動き2004/02/27 (Fri)

 電子顕微鏡製造会社としては日本最大の会社に、超純水の装置を設置を完了した。
 注文から約1年近く経ってようやく納入できた。
 いろいろ曲折があったが、時間1トンの装置の受注が、途中で時間2トンに変更になって、また1トンずつ作りかえるという大変な作業になった。
 コストも大幅に上昇したが、当初の約束通りの価格で納入した。
 もう1台、口頭では受注しているが、納入時期を延ばしてもらうように考えている。


 横浜の有名なフィットネスクラブに市場調査を兼ねて訪問した。

 メールで、プールの透明度を上げるために、純水を使う是非について質問があり、少し電話で話した。
 話の内容が「アトピーの問題で塩素殺菌をやめたい」とか、「透明度を上げて健康的なプールにしたい」と前向きであったので、感触を確かめる目的を兼ねて訪問した。
 前回、幼稚園が経営するプールのことを書いたが、同じ地区で、プールの水についてと同じような質問を受け、非常に興味を抱いた。

 到着と同時に、浄化設備を見学させてもらった。
 大手の企業のものらしく、非常に設備の整った浄化設備が所狭しと並んでいたが、ひとつひとつを詳しく見ていくと、浄化能力においては甚だ問題が多く見られた。
 技術的に問題を説明すると、彼らも設備に比べて浄化能力が能力以上に発揮できていない現状を素直に認めていた。

 プールの浄化は全国的にどこも同じで、温泉やスーパー銭湯等も同じ設備で浄化能力には問題が多い。

 単に砂ろ過を通して塩素殺菌をしているのが普通で、砂ろ過の浄化能力は一概には言えないが、20ミクロン以下の汚染物質の除去はできない。
 設計段階から通水性を考えて、微細な汚れは取らずに、流しているのが現状の設備設計である。

 つまり、循環すればするほど濃度が濃くなり、透明度は低下するのである。

 ここの設備は井戸水を浄化するためにすごい設備が入っていて、大型UF膜が約6本ほど設置してあった。
 自動逆洗装置付きの完全な自動運転で浄化される設備で、値段を聞くと数千万したらしい。
 (当社でも、500万円ほどすると思うが)本当に立派な装置を入れて水を浄化している。
 前段階の設備投資の金額はさておいて、トップクラスのレベルで浄化され、その水がプールに送られている。

 しかし、問題は砂ろ過等を使った循環水のろ過に問題があると指摘した。

 金額をあまりかけずに透明度を上げるには、循環水に中空膜を設置する。
 購入する予算がなければ、当社が膜設備を作ってレンタルし、その水を逆浸透膜を通して造った純水を、注入水として使用する。

 水の透明度の汚染原因は、20ミクロン以下、主に1ミクロン以下の汚染物の量が透明度を阻害する要因だと思う。

 砂ろ過だけでいくら循環しても、こうした微細なごみは除去できない。
 そこにUF膜を使うと、約0.0ミクロン程度のごみを完全に除去できるため、循環を繰り返すごとに透明度は増してくるだろう。

 もう一つの要因は、イオン化された水の汚染物を純水装置で除去すれば、これも透明度に良い影響を与える。
 純度を高めるために、当社のもつEDIの装置で約15メガほどの超純水を注入水として利用すれば、より効果が得られると提案した。

 実証テストのために、約200万円ほどでテストができるので、ぜひ実施するよう薦めておいた。

 こうした大規模なレジャー設備においては、地下水の排水量の金額だけで月約100万円ほど必要になる。
 排水量の一部を有効利用するだけで、設備投資額が回収できる計算にもなる。

 こうした方式で水の浄化ができれば、全国的に適用できるプール、スーパー銭湯や温泉地の水の再利用に役立つと思う。

 今まで人間の脂や有機物等が付着するために、フィルタでこうした水の浄化をすると、すぐに詰まってろ過能力が落ちる問題があったが、当社が開発した純水酸化還元水を利用して、有機物を分解殺菌洗浄等を行う。
 それによって、従来塩素を使った消毒方法の根本的な見直しに効果を与え、今後の有効な浄化設備として実用できるかもしれない。