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◆ 営業方針2004/01/10 (Sat)

  新しい年に入って関西の有名な会社から中国向けの時間あたり3トンの超純水製造装置の見積り依頼を受けた。また、食品関係の会社から約5箇所の工場に1日100トンクラスの水の浄化と脱臭の見積り依頼を受けた。また、東京のある6番目の商社から歯医者向けの浄水器の見積り依頼を受けた。

  昨年あたりから当社も新しい製品を開発する為に大型プラント向けの中空糸膜の浄化装置の開発に力を入れている。2月には、八王子あたりの温泉の水を浄化するために時間約5〜10トンのUF膜の装置をレンタルしたいと言う申し出もきている。

  私たちの会社は零細企業で、開発型の会社のために営業力もなく人の紹介やインターネットのホームページ、マスコミ等の報道で注文を受けて全て当社独自で受注生産をしている。つまり、世間的に言えば全く信用のない会社とも言える。客先からいつも聞かれるのは、『納入先はどこですか?実績はどこにありますか?』と質問を受けるが、納入した個々のお客様の名前を本当に新しい客先に実績として出すのが正しいのか否か、私は非常に大きな疑問を感じているので口頭では伝えるが文書で新しい客先に過去の実績を誇るような形では提示をしないようにしている。つまり、超純水装置を購入されるお客様はそれなりに最高のクオリティーと新しい製品の開発に使われることが多い。その人達が当社の商品を導入していただいてそれを次のお客様に我々がこう言う実績がありますといって伝えて営業していいのかという疑問を持っています。

  超純水製造装置を考えた場合、RO(逆浸透膜)装置を通した水を直接イオン交換樹脂に通して純水を作りそれに加えて特殊なポリシャー樹脂を通して超純水を作る方式とEDIといって電気でイオン制御して再生しながら連続的に超純水を作る方式があります。最近は、この技術はポピュラーになり米国ではほとんどこのEDIを用いた超純水設備が普及しています。当社は、十数年前からアメリカで超純水の仕事を始めました。その時、たまたまUSフィルターの超純水設備(CDI)を購入しようと思って最終交渉に及びましたが、もう一つELECTROPURE社のEDIにめぐり合ってEDIのセルを購入して手作りで超純水製造装置を作りました。最初は、14MΩほどの純度しかでなく改良に改良を重ねてきて15MΩを安定的に純度がでる技術の確立ができました。

  なぜ、この場におよんでこう言う説明をするかと申しますと、実績はどうですか?という前にEDIの設備を導入しようとするとUSフィルター製のCDI方式を買うか、ELECTROPURE社のEDI方式を使うか、カナダ製を使うか、スイス製を使うか、ドイツ製を使うかその選択になります。基本特許は、数人の方々がお持ちなので簡単に言えば誰から買っても同じ超純水設備ができるということです。

  私たちはELECTROPUREのアメリカでの正規アッセンブルメーカーとして登録されています。商社から買ったり他のメーカーからEDIを買ったりするのではなくダイレクトに購入してプラントとして製造することができます。多分、日本国内においては、ダイレクトなプラントメーカーとしては当社だけだと思っています。ROのベッセルも日本製で99%のシェアを持つ富士工機から購入しております。中身のROモジュールは、予算に応じて日本製を使用するかアメリカ製を使用するかはお客様が決めるオプションで好みはあってもクオリティーは大して違いはありません。当社はもともとアメリカで技術を学んできた会社ですが現在はほとんど日本製の部品を採用しております。電気の整流器も日本のトップメーカーであるに千代田にOEMで供給を求めていて、多分EDI商品においてはトップクラスの設備になっています。

  どうしても客先を明かしてくれと言われると、九州で一番の国立大学にも入っております。山口県の半導体の工場にも私たちの製品が入っております。関東では横浜の緑区のシリコン加工メーカーにも入っております。これは時間約10トンの大型純水装置で現在も稼動しております。その他、群馬の製薬会社にも入っております。所沢にある半導体の会社にも入っています。つくばの農林省の研究所にも入っています。韓国では、サムソン電子、ダイウー、現代等にも入り、次期注文の相談も現在商談中で受けております。携帯電話関連では青森にある会社に納入をしております。岐阜においては、大型テレビの電子銃を作っているアメリカの90%のシェアを持つ会社にも納入しております。もし口頭でよければ会社の名前と技術の担当者の名前を公表することもできますが、必要はないと思っております。

  なぜ当社が過去の実績を伏せて見積り金額を提示しないかと言うと、多分クオリティーからみて世界で一番安い超純水装置の供給メーカーを自負しているからです。アバウトな価格を申し上げますと、時間1トンの超純水装置の市場価格は約1000万円〜1500万円します。なぜ500万の差があるのかと言いますと、炭酸ガス等を除去する脱気膜の標準装備やUF膜の標準装備、メタノールの分解のための紫外線殺菌装置の価格、つまりTOCの純度に応じて価格設定が大幅に変わります。勿論、水質によっての前処理に投じられる設備に応じても価格は変わります。当社は、500万円〜700万円の間で製造して販売することを目標にしております。安い価格の見積書を出すと業界で見積りの叩き合いが始まるので当社は見積書の送付は口頭及び面談でないと出さないような形をとっております。

  開発型の会社と一般企業と同じ価格で販売することは出来ません。つまり私達は売り上げや利益等を中心にした会社ではなく想像性と新しい物を作る楽しみを基本に会社を運営しています。そのために個々の技術者においては非常に管理コストの面において、給与の面において、全て能率主義体制をとっています。役員ですら営業能力がないと給与はもらえない形で極限の経営を続けております。つまり中国の製造コストにも負けない価格帯性を組んでいるので誰にも負けない販売価格を維持することが出来るのです。その為、営業においてもめったに営業に出向いて販売を促進するやり方はしておりませんし、カタログやパンフレットも作っておりません。つまり、去年作った品物と今年作った品物は大幅に改造もしておりますし新しい技術も導入するのでパンフレットやカタログで表示出来ない最新の設備を作ることに努力しております。

  次にメンテナンスに付いて心配される時があるので少し述べておきます。中国の上海に私たちの同業者として廃水処理関係の専門の会社があります。日本で50年をこえる歴史のある会社です。その会社が中国やフィリピンにおいてメンテナンスを担当することになっております。しかし、これらの会社は社会的な信用があってもコストも当然高くつきます。その為に私達は、韓国においてサムソン・現代・ダイウーなどに納入してアッセンブルとメンテナンスができる部隊を持っており、いつでも東南アジア各地には派遣ができる体制になっております。又、もし本気で当社の製品を購入される気があった場合には、納入先の会社に問い合わせていただきたいのですが、ほとんどメンテナンスの必要はありません。作り込みの技術と誰でもメンテナンスができる体制を導入時に教育するような形を組んでおりますし、もし機械が壊れてもバイパス等の設計をしていて1週間くらいであれば何ら問題なく超純水が採取できるように対応しておりますので、ほとんど心配はありません。又、当社のスタッフは英語が堪能な人材、韓国語が堪能な人材、中国語が堪能な中国人の人材等いつでもどこでも海外で対応できる国際的な人材を揃えております。

  ですから当社に注文する以前に電気再生方式の超純水製造設備は現在では既にポピュラーな商品ですので他社メーカー様のクリタさん、オルガノさん、日本ガイシさんなど各社でも取り扱っておりますので、よくお調べになって、どうしても予算の制限や工場のレイアウトの都合やオリジナル仕様の設備がほしい場合には当社の方に注文していただきたいと思っております。

  食品関係の会社は約100トン以上の水処理の問い合わせですが、私たちは非常に興味をもっております。大型プラントの水処理というのは非常に高価な設備を有しますが当社のUF膜の設備は十分大容量の浄化能力を持っているので損得抜きでチャレンジしたいと思っております。

  1月9日、今日は厨房機器の会社の社長と技術人とが合同で新しい技術提携の話をしました。非常に前向きな会社で、謙虚さにこちらも引かれて彼らと具体的なテーマにおいて提携を進めて行きたいと思っています。

  この正月には念願の100万円を切る水の自動販売機のプロトタイプが完成しました。酸化還元水を加えた世界初の自動販売機を作ろうと思っています。又、真偽は別にして興味があるパイウォーターの機能水のテストで思ったより良い結果が出ました。今年は、活水器の時代がくると思います。浄水からさらに活水へ、新たなテーマを元に新しい技術開発に取り組んで今年は働きまくれる1年にしたいと思っております。