ＲＨプリンスビラ・営業日誌　≪保存版≫

◆ 中国訪問

2005/04/19 (Tue)

　反日デモで荒れる中国を訪問して来ました。夜遅く上海に到着する便のため少し警戒しながら移動しましたが思ったより静かでした。電気不足の影響があるのか暗いビルが林立し夜景を期待していましたが期待を裏切る光景でした。ホテルは思ったより快適でした。上海から杭州まで移動に電車かバスか迷いましたがバスの駅が分らず電車にしました。上海駅は人であふれて大混雑、何処で乗車券を買えるのか探すのに一苦労でした。発券売場の一つで英語が通じる窓口がありましたが並んで順番を待つ時中国人の割り込みが激しく生存競争を生き抜く厳しさを見て文字道理皮膚で実感じました。３時間程駅の構内の待会所で待ちました。バスは１時間毎に走っていますが電車の便は少ないので事前に調べた方が良いと思いました。

　３ヶ月程前に中国を訪問しましたが、今回の印象は中国の勢いは少し停滞感が感じられました。日本では反日運動が大きく報道されていますがこの状態は今後とも続くと思います。脅威の成長と報道されてマスコミから煽てまくられていますが少し翳りが見られます。金持ち喧嘩せずの諺がありますが彼らが荒れる行為は貧しさの表れですから、好き放題やらせて挙げる事のほうが自然です。外務大臣がノコノコ出かけて遺憾です。あいかわらずの小言の発言ではしたたかな中国人には届きません。私から言えば不適切な発言です。私も仕事上、世界中に出掛けた経験から発展登上の国ではこれ位の混乱は常識の範囲で驚く話ではなく、日本が騒ぐ事の方が笑しいと思います。私は個人的にはこの種の混乱は歓迎です。老人大国で静かに眠っている日本人には警鐘で少しは刺激になるし、中国人も日本人を嫌う教育で国民の不満を押さえ込んできた付けが表面化しただけ、日本人が嫌いなら嫌いと言えばいいし、中国人が日本人を嫌う理由が分るように思えます。私も中国人と仕事をしていますが人を選んで付き合っています。嫌いな人、好きな人様々です。中国には１万6000社、日本企業が進出しています。金儲けをしたい企業、日本では生き残れない企業が中国にいます。金儲けでも生き残りにもリスクは付き物です。最近は日本も不況で犯罪が続出し危険が満ち溢れています。中国のような特赦な国で危険は生活の一部と理解すべきです。私は日本の外交力や政治家を信じていません。問題を先送りする体質がより問題を複雑にして韓国、中国、ロシア、と領土問題等を含めて関係が複雑になっています。到底解決の道は見えません。私から見て日本政府に力量のある人材が居ないのが少し寂しい思いです。政治家の責任より国民の意識のせいでしょう。能力のない政府のお陰で私達は零細企業で実力の無い会社でも国際的な仕事ができる自立心が備わったので政治家の無策が逆に良い結果を生んでいます。中国を旅していて物価の安い事が楽しい。私は中国を状態国家と思っています。つまり、国になりつつ成長期で子供と思えば腹がたちません。豪邸があったり、田舎に行けば一日１ドルの生活を送る地域が存在したりする国は中国だけです。中国政府が新幹線を計画したり足元はボロボロであったり、背伸びを思い切りする楽しい国です。町中公安の警官の目が監視する公安社会です。杭州は2000千年の歴史があり、富裕層が多く非常に金持ちの町です。緑も多くて中国でも綺麗な町で高級感に満ちています。しかし、道幅は広いのに車がやたらに多くて車優先で危険が満ちています。人々は何か焦っていて落ち着きがなく、逆に同情心が湧きます。町の中に西湖と言う湖があって周辺の家は億を超える邸宅が並んでいます。ここは政府の要人と関係が深い勝ち組の人が住んでいて簡単には買えません。日本では中国の格差を問題にしますが、この国を治めるには平等の思想では統治できないでしょう。日本企業が多く進出する理由として賃金の安さと今後の成長性、つまり、格差を利用して経済活動が成り立っています。格差は歓迎のはずです。中国に格差が存在しないで賃金が上昇すれば企業として中国の魅力は無くなります。中国が金持ちになれば成る程、崩壊の危機が訪れ分裂が始まります。中国は今や、日本の生産基地化しています。デモも暴動も固定費の一部です。日本と政治的には益々対立が深まると思います。いつも問題が起こると小泉首相の冷静で優しい言葉に感服します。対話と圧力、冷静、見極めて、未来志向等、空しい言葉が好きな首相です。しかし、この人の言葉には何の裏付けも感情も伝わりません。多分優しさや人間の感情を学んだ経験が乏しいのでしょう。私達の中国でのビジネスの相手は今日の表現では勝ち組と称される人々ですが、実像は物凄く働きます。日本の情報、アメリカの動き等、良く勉強しています。水全般の知識もあって相手としては脅威です。

　中国に行く前にあるフィルターメーカーから活性炭フィルターを中国で生産するリサーチの話がありました。中国の活性炭のレベルはまだまだですが高級品はマレーシアの原料を使っています。レベルは普通です。この話を事前に中国に伝えていたら、フィルターを用意していて見せてくれました。この会社は設備を持ち込んで中国で製造する予定でいたようですが、私は設備を持ち込んでまで製造するよりＯＥＭで製造委託する方が得策と思います。価格と品質のバランスに驚きました。日本の品質のレベルを彼等に伝えて、5000個程テストで輸入する方向で検討しています。参考までに中国では活性炭のフィルターを年間100万個中国国内で生産しています。品質が向上すれば当社にとって将来ドル箱になる予感がします。

　中国では連日反日デモの運動が激しさを増していますが、このまま続くと確実に日本経済に影響がでます。しかし、これも自然の摂理で気にしていてもきりがありません。世界経済が停滞して石油の消費が抑えられたらこれも幸運です。ここ数ヶ月日本ではフジテレビの株の争奪戦と郵政改革が日本の話題でした。若者がマネーゲームで巨額の利益を得ました。単に企業買収と攻防の模様を連日報道しました。政府も郵政の攻防も骨抜きの詰めで時間を浪費して日本中骨抜きになっています。原油も素材も全てが高騰して世界中大きな転換期です。

のん気な日本、大丈夫ですか？

素人感覚でも分りますが、日本は確実方向感覚を失っています。