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◆ 零細企業に勝算2005/09/03 (Sat)

 8月24日つくばエクスプレスが開通した。20年前の計画が実現したが、遅過ぎる。しかし、関係者の忍耐力には敬意を表したい。沿線の各駅周辺は、不動産価格が値上がりしているが、つくば市も人口が増えるので、井戸水のマーケットも広がるだろう。しかし、全てが高騰して新線効果は駅周辺で終ると思う。つくば市の問題は、駅周辺の一等地に公務員の社宅が並び、国が造った町、研究者の町と連想されているが、民間の会社が進出して、職場が増へないと逆に経済的な問題が起る。学園都市と緑の環境の良さを生かし活力のある町を期待したい。

 自然災害が世界中に猛威を振るっている。アメリカもついにやられた感じだ。関連したくないが、イラク侵攻以来アメリカは命運が尽きている。世界最強の国のイメージはない。大国を維持するために、石油が欲しい欲望は理解できるが、アメリカの持つ本質の魅力は無くなっている。昔のアメリカは素晴らしい国だったが、戦争以来アメリカを見たくない国になった。中国も成長と同時に欲望が露骨過ぎてアメリカと同様、石油と飲料水の問題で同じく行き詰まる。中国の経済の発展は本当に世界に貢献しているのか疑問だ。石油備蓄は3日、中国は苦しい。石油の高騰の影響で様々な問題が起きて全てのコストが上がり、経済活動が弱まって痛みの調和が来る。長い目で見れば石油の高騰は人類を救うと思う。当社はこの激動を予想し、大量に仕入れを増やしてコストを吸収しているが、世間が混乱すればするほど、問題とチャンスが同居するので、この機会を生かしたい。

 韓国でも当社の超純水、EDI装置が定着して来た。様々な経験を重ねてノウハウを蓄積しているが、色々な問題を克服して来た成果が出始めている。銀行からの支援も受けないで、大手企業と互角以上に競い合った社員を褒めてやりたい。香川の水不足対策に、地元の要請に応え、緊急に浄水装置を空輸し水野を派遣した。現地からの報告によると井戸水で充分対応出来ると報告があった。到着してすぐに取り付けた。顧客は今晩からお風呂を満タンにして入れると大喜びだったと報告を受けた。電話の声は弾んでいたので安心をした。香川で井戸水浄化装置を組立てる計画も例外に検討したい。ダムが枯渇し状況の改善は台風頼みである。台風14号に期待したい。先号でも述べたが香川の井戸を掘る金額が高騰中と聞く。当社は素材コストが3倍ほど上っているが、安く抑へて販売したい。

 他社から購入した超純水製造装置の維持コストが高いので苦慮したユーザーから相談がある。困った時だけ相談にこられても反対に困ってしまう。超純水装置も、次第に売り手市場になってきた。扱う技術者が少ないからだ。企業は発展すると逆にコストが増える。忙しいが利益率がドンドン悪くなっていると聞く。日本で超純水装置を当社以外安く製作できる会社は無いし、安売りの川手と悪態をつかれている。大型膜を使った井戸水のホームクリーン浄化装置の販売も当社が一番安いと思う。家全体を綺麗にしたい希望にかなった商品で、上手く進んでいる。当社の会社の規模が小さいから誰にも負けないコストが実現するのだ。会社の規模が小さいほど機動性に飛んで運営も容易だし難局克服には相応しい。企業規模の大小が信用の有無ではない。東大で物作り講座が正式に決まった。水野が非常勤講師として超純水装置を教える。少しでも社会に貢献出来れば良いと思っている。

 岐阜のダム湖の工事現場から湧き水を飲料水にしたいと依頼があった。顧客は日本を代表する大企業だが、予算が少ない。予算に合わせて製作したが、心配である。湧水はすぐに砂が詰まってしまうので難しい。先方は紫外線殺菌装置の性能表が欲しいと言う。性能表には紫外線ランプで98%菌を除去すると書いてあるが、あくまで水道水が基準だ。現地の水で菌が出るか否かを調べる以外方法がない。大手企業を相手に仕事をすると無理な要求が多く求められるが嘘はつけない。事前に単なる標準的なデーターを提出しても意味がない。私は売る為に正確な情報を相手に伝える事が大切だと思っている。相手先はとにかくデーターが欲しい。書類がないと購入の判断が出来ないのだ。当社も予算以上の保証を求められても応え難い。湧き水が簡単に飲料水に浄水出来れば水道局はいらない。簡単な常識が以外に理解されない。仕事は安受しない方が良いと思う。商品の仕様、機器の価格、工事費、ランニングコスト等は水の条件により異なるのでカタログでも記載し難い。インターネットで井戸水浄水器を検索しても逆浸透膜の家庭用は見当たるが、当社のようなホームクリーンの装置で、時間当たり1トン〜2トンの水を処理できる大型浄水機は無い。又、従来のフィルターは詰まるのでランニングコストが高くつきフィルターでは、フミン酸系色度はとれない。活性炭フィルターでも除去できないし、メタンガスや硝酸性窒素も専用の樹脂が必要になる。化学の知識も現場の経験も必要で、単にフィルターを売る商売では対応出来ないし、プロセス技術が求まられる。顧客側としては理解する上で、カタログを見たい気持は理解できるが、一律には説明できないのだ。井戸水は複雑で、生き物その物である。天候や季節、地震の影響などによって水脈が変われば浄化方法も違がってくるし、鉄・マンガン・の汚染は日本中に広がっており、これらを除去するにも技術がいるので、製品の仕様も価格も水の汚染度しだいで変動する。予め決まった基本製品を量産して、コストを下げたいと思う。

 今まで井戸水の浄化は砂濾過を使用するので大規模な装置になったが、膜技術の進歩により手軽になった。当社は、超純水製造装置の前処理装置として膜を開発してきたので、ノウハウが生かされている。膜のフィルターも大手企業と当社はコストの競争力があるので有利である。水問題で困っておられる人や、全く水道がない地域の方々に今後も供給して行くつもりだ。今後は雨水、地下水の利用が真剣に検討される時代だし、天候不順で何は起きるか分らない。大企業が水問題に取り組むとコストが高くなるが、私共が取り組めばコストの安い装置が供給できると思う。先月、千葉銀行の担当者が何度も電話をかけてきた。融資話である。最近、地方銀行は融資の営業を熱心に始めだした。中小零細企業を相手にサラ金並みに儲けたいのだ。私は銀行を信用してはいけない対象と思っているし、銀行から信用を受けたいとも思っていない。銀行からお金を借りないで経営を考えていて小さくとも自力で生き抜くべきだと思う。是非会いたいと言うので、融資話は無理だと言ったが聞かない。帳簿を見せろと言うので見せると売掛金が多いと言う。信用出来ないのだ。3月に神奈川の食品製造業の会社と茨城県内の牧場から大型浄水装置の注文が来たので、売上げに計上した。相手先の水が汚いので、多分苦労するので、400万円で純水装置を製造した。相手は20数項目の水質検査に合格しないと検収をあげない約束をした。数ヶ月経っても検収が上らず月日が経過したが、銀行は入金が無いので、不良債権扱いをした。導電率は1000を超え、最悪。PH値も9.6とアルカリ性だった。大型の活性炭装置も3日で駄目になり苦労したが、PH以外合格して売掛金を払って来た。銀行は、売掛金の回収を問題視するが、帳簿上の事で冷たい。が、遅くなって何が悪いのか! 零細企業が400万円の設備投資をする勇気は賞賛すべき事である。食品を作る仕事に安全な水は欠かせない。水道水のみを使っては、採算が合はない。銀行の立場はすぐに回収せよと云いたいと思うが、採算と言う企業倫理だけで判断する銀行の姿勢は疑問だ。水の仕事は、本当に困っている人や、業者には可能な限り相談に乗る事にしている。8月になり、客先から全額入金があった。入金は相手が納得して払う物。受け取る方も気分良く感謝して受け取る、銀行に馬鹿にされても持論を貫きたい。私は長くビジネスを行っているが、集金に行った事も催促した事もない。全て客先の判断で支払ってくる。銀行の立場から見れば放漫な経営者と見られて信用されないが、銀行より、当社の方が心に余裕がある。購入されたお客はご存知だと思うが、購入を申し込まれても当社はすぐには販売しない事にしている。しつこく営業もしないし、喜んで戴けるお客のみに今後も販売したい。私は9月に検査入院を兼ねて休養したいと思っている。病気と上手く付き合って悠々自適の生活を送る積もりでいる。